前の記事で書いたOdin2 Portalがまだ届いていないので、それまでの間カセットからROMデータを抜き出す方法について書いておこうと思います。
エミュレータで遊ぶ場合の大原則は「カセットの実物を所持していること」です。つまり、自分で入手したカセットからROMデータを抽出したもので遊ぶ分には問題ありませんが、ROMデータをどこかからダウンロードしたり他者から貰い受けたりして遊ぶのは違法行為となります。ご注意ください。
この記事では、ファミコン・スーパーファミコン・ゲームボーイ・ゲームボーイカラー・ゲームボーイアドバンス・メガドライブ・PCエンジンなどのカセットからROMを抽出する方法について紹介していきます。
ざっくりとした手順としては以下のようになります。
- レトロフリークをUSB延長ケーブルでPCに接続
- レトロフリークにカセットを挿入
- 読み取りソフトでROMデータを読み取り
- 読み取ったROMデータを保存
レトロフリークとUSB延長ケーブルを用意する
カセットからROMデータを抽出するにあたって、カセットを挿すハードが必要になります。これをダンパーといいます。調べてみると色々なダンパーが存在する事がわかりますが、この記事では自分が実際に行っている方法としてレトロフリークを使用する方法を紹介したいと思います。
レトロフリークは本来エミュレーター機として販売されているもので、様々なハードのカセットの差込口を備えています。TVやモニタにつないでカセットを挿せば、例えばスーファミやゲームボーイの本体がなくとも、スーファミやゲームボーイのソフトで遊ぶ事が出来るという商品です。
レトロフリーク自体の機能として、microSDにROMデータを吸い出し・保存する事が出来るようになってはいるのですが、この方法で吸い出したROMデータは暗号化されておりレトロフリークでしか使用できません。Android端末やPCでエミュレータを用いて読み込むことが出来るROMデータを取得するには、後述のように読み取りソフトを使用する必要があります。
レトロフリークはエミュレーター機としてとても人気があり、一時期は中々買えず転売価格でしか見つからない事もあったのですが、現在はAmazonでも正規の価格で購入できるようです。自分の場合はヤマダ電機を回って、ヤマダ電機専売モデルが残っているのを見つけて購入しました。中古ゲームを取り扱っているお店でも中古品が販売されていたりするので、根気よく探せば入手自体は難しくないのではないかと思います。
レトロフリークはPCに接続して使用する事になりますが、この際にUSB延長ケーブルが必要になるので、こちらも用意しておきます。
また、レトロゲームは製造から年数が経過しているため端子部分が劣化しており、読み取りづらくなっている場合があります。そうした場合に端子の接触をよくする接点復活剤というものがあるので、一つ用意しておくと便利です。
読み取りソフトを用意する
ソフトの入手
ROMデータ吸い出しのキモとなるのは読み取りソフトの存在です。今回使用するのはRetroFreakDumperというフリーウェアで、かつて根津王アシターという方が開設されていたホームページ上で公開されていました。現在はこのホームページは閉鎖されているのですが、ファイルアップローダー上に残っているものがあるためこちらを使用します。
作者が公開停止しており、かつアップローダー上にかろうじて残っているものであるため、いつ消失してもおかしくありません。消失している場合は諦めて別の方法を調べてみてください
インストール方法は簡単で、zipファイルを任意のフォルダに解凍・配置するだけでOKです。
データベースファイルの入手
RetroFreakDumperは、レトロフリークで読み込んだROMデータを照合するためのデータベースとなるファイルを必要とします。このファイルはNO-INTRO DAT-O-MATICという海外のホームページからダウンロードします。
このホームページで取得出来るデータベースは世界中で販売されている様々なゲーム機毎に別れています。その中から、レトロフリークに挿して読み取る事が可能なゲーム機に絞って個別にダウンロードすることになります。レトロフリークで読み取り可能なゲーム機は標準で以下の11種類で、それぞれの右列にある名称のデータベースファイルが必要になります。
| ゲーム機 | データベースファイル名 |
|---|---|
| ファミリーコンピュータ | データベースファイル不要 |
| スーパーファミコン | Nintendo - Super Nintendo Entertainment System |
| SNES | Nintendo - Super Nintendo Entertainment System |
| ゲームボーイ | Nintendo - Game Boy |
| ゲームボーイカラー | Nintendo - Game Boy Color |
| ゲームボーイアドバンス | Nintendo - Game Boy Advance |
| メガドライブ | Sega - Mega Drive - Genesis |
| GENESIS | Sega - Mega Drive - Genesis |
| PCエンジン | NEC - PC Engine - TurboGrafx-16 |
| TurboGrafx-16 | NEC - PC Engine - TurboGrafx-16 |
| PCエンジン スーパーグラフィックス | NEC - PC Engine SuperGrafx |
NO-INTRO DAT-O-MATICにアクセスすると上記の画面になります。ずらっと並んでいるのが各ゲーム機の一覧になっています。赤枠で囲んだOrder by Dateの部分をOrder by Alphaに変更して日付順から名前順にします。
ゲーム機のリストの中から、上で紹介したテーブル右列の名前を探します。例えば上記の画像ではゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスの3つが見えています。見つけたら、左端のフロッピーディスクのアイコン(赤枠で囲んでいる部分)をクリックします。
何やら色々と表示されますが、何もせずに一番下にあるPrepareボタン(赤枠で囲んでいる部分)をクリックします。
Download!!ボタン(赤枠で囲んでいる部分)をクリックすると、データベースファイルが圧縮されたzipファイルがダウンロード出来ます。
この一連の流れを必要なデータベースファイルが揃うまで繰り返します。
ダウンロードしたzipファイルを解凍し、中にある.datファイルをRetroFreakDumperのフォルダ内にあるDataBaseフォルダ内に格納します。自分の場合は直近で遊ぶ可能性があるゲーム機に絞っているため、上記の画像のようになりました。
ここまでが事前の準備作業で、最初の一度だけ実施します。これ以後は、以降に説明する流れを実行すればOKです。
レトロフリークをPCに接続する
レトロフリークをPCに接続します。レトロフリークを裏返すと上記画像のようにレトロフリークの本体(赤茶色の部分)をスライドする事で取り外すことが出来ます。取り外すと2つのUSBコネクタが現れます。
レトロフリーク正面に刺さっている黒いものは今回関係がないので気にしないでください
実際に使用するのはレトロフリークの本体ではなく、カセットの差込口があるダンパー部分の方になります。USB延長ケーブルを使用してダンパーのUSBとPCのUSBとを接続します。
ダンパーのUSBのうち、実際に使用出来るのは片方のみです。正しく接続出来ていればPCからの給電が行われ、ダンパー正面のLEDが点灯します。もし点灯しない場合は使用するUSBコネクタが間違っていないかを確認してください。
給電が出来ている事が確認できたら、ROMデータを吸い出したいカセットをレトロフリークに挿し込みます。
ROMデータを吸い出し保存する
RetroFreakDumperのフォルダ内にあるRetroFreakDumper.exeを実行すると上記のようなウィンドウが開きます。
Comポートの選択ボタンをクリックし、続けて挿入済カートリッジの更新ボタンをクリックします。
読み取りに失敗してしまいました。古いカセットは端子部分が劣化してしまっているため、こうした事は頻繁に発生します。そこで活躍するのが接点復活剤です。
蓋を回して開けると刷毛が出てくるので、カセットの端子部分に塗布した上で再度レトロフリークに挿し込み、もう一度更新ボタンをクリックしてみます。
今度は無事に読み取ることが出来たようです。上記の例ではタイトルにDRAGONQUEST6と表示されています。
続けて吸出しボタンをクリックする事でROMデータの吸い出しが行われます。
事前に導入しておいたデータベースファイルを用いてファイルの照合が行われます。下部のテキストフィールドにその結果が表示されていることがわかります。また、無事に吸い出したROMデータの保存処理が行われた事が確認できます。
保存されたROMデータはRetroFreakDumperのフォルダ内にあります。Romsフォルダが無ければ自動で作成され、その中にゲーム機単位のフォルダがあります。今回吸い出したDQ6はスーパーファミコンのソフトなのでSFCフォルダが作成され、その中に.sfcファイルが出来ていることが確認できました。
今回はSFCのソフトを用いましたが、ファミコンやゲームボーイなどその他のカセットでも吸い出しの流れは同じです。
ゲーム機によってファイルの拡張子は異なります
最後に
やり方がわかってしまえば拍子抜けするほどに簡単に吸い出せることがおわかり頂けたかと思います。かつてはROMの吸い出しにはもっと込み入った手順や知識が必要だったのでしょうが、先人たちの努力によってこうも簡単に吸い出しが出来るようになっている事に感謝です。
ただし、記事の冒頭でも述べたように自分で購入したカセットから自分で吸い出すことと、吸い出したあともカセットは所持し続けていなければならない点には気をつけるようにしてください。でなければ違法行為となってしまいます。
吸い出したROMを実際に遊ぶにはどうすれば良いのかについては、エミュレーター機が実際に手元に届き次第記事に起こそうと思っています。それではまた!


