X1にドライブレコーダーを装着した

BMW X1が納車された後、自分でドライブレコーダーを取り付ける作業に取り掛かりました。この記事ではその事について書いていきたいと思います。ドライブレコーダーとは、文字通りドライブを記録する装置です。基本的にはフロントガラスの上方に取り付け、車の前方を録画し続ける働きをします。自分を守る為にも今や必須とも言える装備、しっかり用意しておきたいものです。

ドライブレコーダーの必要性

公道は恐ろしい場所です。自分がどんなに気をつけていても防げない事故というものが存在します。例えば逆走してくる車、信号を無視して突っ込んでくる車、前走者からの落下物など様々な脅威が考えられ、枚挙に暇がありません。そして運悪く事故に遭ってしまったとき、必ずしも周囲の人からの目撃情報や監視カメラの映像が集まるとは限りません。そんな時に、自分視点での映像が残っていれば自分に非の無いことを証明する手段となる可能性があります。何かが起こった時、自分の身は自分で守るつもりで備えておかなければなりません。

また、走行中に何か珍しい物を見た、景色が綺麗だったなどなど事故とは無関係な色々なものもしっかり記録しておいてくれるので、あとになってから「アレ、写真撮っておきたかったなぁ」というような事もなくなります。Youtubeなんかでは、快走路を走行する様子を記録したドライブレコーダーの映像に音楽をつけたり倍速にしたりして編集したものが意外と人気だったりする事もありますが、景色が綺麗で気持よく走っているドラレコ動画は見ているだけでも爽快なのです。

今回購入したもの

上記写真は、今回のドラレコ取り付けにあたって用意したものです。電工ペンチと内装剥がしが映っていますが、これは用意したものの今回は使いませんでした…。他の物品について見ていきます。

ドライブレコーダーは台湾のメーカー、Papago製のGoSafe520です。決め手は他社製品に対する映像品質の良さでした。また、東西の信号機のLEDの周波数が異なる問題(※)にも対応している事も理由の1つです。(公式ページ

※端的に言うと、カメラに信号機のLEDが映らない事があるのです。この問題に非対応である場合、例えば事故にあった時、自分の側が青信号であったと主張したくても映像には映っておらず証拠として使えないという事もありうるため、ドラレコ選びの際には重要な項目です。

GoSafe520にはもともと映像を記録するためのSDカードが付属していますが、あくまでもオマケレベルのもので容量が少ない為最新の2時間分しか記録しておく事が出来ません(画質や解像度の設定によりますが)。そこで、追加で128GBのSDカードを購入しています。これによって8倍の16時間分の記録が可能になります。これだけ記録が残っていれば充分でしょう。

一般的にドライブレコーダーはシガーソケットを利用して電源をとるようになっています。しかし、運転席周りのシガーソケットとバックミラー周りに設置するドライブレコーダーとの間をケーブルで繋ぐとなると、どうにも見た目がよろしくありません。ドライブレコーダーはいちど設置してしまえばあとはもうずっとそのままにしておくものなので、最初に多少苦労してでも極力ケーブルが見えないように綺麗に配線したいものです。そこで、MINIの時同様に前部座席付近にあるヒューズボックスから電源を取り、ケーブルは車の内装パネルの裏側に隠す事にしました。その為に購入したのがカーメイトのソケット分配器です。

ソケット分配器はヒューズボックス内のヒューズを取り外して代わりに差し込む事でそこから電源を取り出し、シガーソケットを追加する事が出来るというものです。この製品には2口のシガーソケットが備わっており、今回フロントガラスに設置するドライブレコーダーに1口使い、もう1口は空いたままにしておきます。1口空けておくことで、今のところはまだ予定はありませんが将来リアガラスにも後ろ向きにドライブレコーダーを設置したくなった時にも対応する事が出来ます。

また、内装を外したりするためにトルクスネジに対応したドライバーが必要です。トルクスネジとは、星形の穴の空いたネジの事です。普通のマイナスドライバーやプラスドライバーで無理に回そうとするとネジ穴をなめてしまい、面倒な事になる可能性があります。一般家庭では普段使う機会はあまり無いと思いますが、安いものでもよいので用意しておきましょう。

それから検電テスター。これを使って電極の向きや正しく通電が行われるか等を調べる事で、正しく配線する事が出来るようになります。間違えるとショートさせたりして、最悪ドラレコが壊れたりするかもしれません。そんなに高くないので用意しておきましょう。

そして最後に電源ケーブルが動かないように固定しておく為のテープやタイラップ。自分はマジックテープ式のテープを使いました。日常生活でも色々なケーブルを纏めたりするのに便利なので常備しておく事をオススメします。

その他にはドライバーセットなどがあると便利です。車種によっては必須になるかもしれません。

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作業手順

おおまかな作業の流れはこんな感じ。順を追って説明していきます。

  1. ヒューズボックスの中からアクセサリー電源を探す
  2. アクセサリー電源のヒューズを外し、ソケット分配器を差し込む
  3. ソケット分配器のマイナス側電線を車体に固定し、ボディアースとする
  4. ドライブレコーダーをフロントガラスに設置する
  5. ドライブレコーダーとソケット分配器を電源ケーブルで接続する
  6. 電源ケーブルをどこに這わせるかを決め、該当箇所の内装を剥がす
  7. 電源ケーブルを隠しながら内装を元に戻す

1. ヒューズボックスの中からアクセサリー電源を探す

まずはヒューズボックスを確認します。MINIのヒューズボックスは運転席の足元にありましたが、X1の場合はグローブボックスの奥にあるようです。BMW車はグローブボックスの奥にある事が多いみたいですね。

このままでは作業がしにくいので、まずはグローブボックスそのものを外してしまいましょう。グローブボックスを開けた状態で見える5本のトルクスネジをT20の大きさのトルクスドライバーで外します。ついでグローブボックスのすぐ下にあるカバーを外します。これはクリップで留められているだけなので、手で引っ張ってやれば簡単に外す事が出来ます。カバーを外したことで見えるようになったトルクスネジを外します。グローブボックスの下は二重底構造になっているのですね。結構広い空間なので、増設するシガーソケットはここに置くことにしよう。

グローブボックスの内側にはライトがついているので、これを外します。マイナスドライバーなどを差し込めば簡単に外れます。ライトには電線が接続されていますが、これも差し込んであるだけなので、コネクター部分を手で引っ張るだけで外れます。

グローブボックス全体を取り外します。まず右端を手前に引っ張ってクリップを外し、次に左側のクリップを外します。左端はダッシュボード側面の内装パーツに嵌めこまれており、手前ではなく右側に引っ張る必要があります。

グローブボックス全体が外れたら、その裏側につながっているコネクターを外します。ライトに付いていたものとは異なり、安易に外れないように返しが付いているので、この返しを何か尖った細い物で押し込みながら引き抜くと外せます。グローブボックスはこれで完全に外れました。後部座席にでも置いておきましょう。

作業の邪魔なので、ダッシュボード側面のカバーを外します。ドアと車体の間にあるゴム(ウェザーストリップ)をまず外してしまいましょう。手で引っ張るだけで簡単に外れます。その後、ダッシュボード側面のカバーを引っ張って外します。同じように手で掴んでバキッと。大胆かつ慎重に。まぁ、この手の樹脂はそうそう簡単には折れないでしょう、多分(あくまで自己責任で!)。

2. アクセサリー電源のヒューズを外し、ソケット分配器を差し込む

ヒューズボックスの蓋を開けると、どこに何のヒューズがあるのかが記載された紙が折りたたまれて差し込んであります。これを見ながらどのヒューズを利用するかを検討します。通常ドライブレコーダーの電源を取る場所としてはアクセサリー電源(ACC電源)と呼ばれる箇所が使用されます。これは、イグニッションがオンの状態の時に通電するというものです。メーカーによって多少挙動は異なるようですが(例えばBMWの場合はイグニッションをオフにしてからも数分間は通電するようになっている)、基本的にはどのメーカーでもアクセサリー電源を使えば間違いはないでしょう。

※ただし、走行時だけでなく駐車中も記録を行うような駐車監視機能を持ったドライブレコーダーを使う場合はこの限りではありません。アクセサリー電源は駐車中は通電しないので、常時通電する場所を使う必要があります。自分もこの駐車監視機能は少し興味があったのですが、バッテリー上がりの可能性もあるため今回は見送りました。

▲後述する65番のヒューズを既に抜いた状態

この紙を見てアクセサリー電源の位置を確認します。X1の場合は63番、65番、100番、115番、132番が該当するようです。この中から、ソケット分配器のヒューズ型プラグと同じ大きさのヒューズかつアクセスしやすい場所にある65番を使う事にしました。ヒューズボックスに差し込んである赤いヒューズ抜きを使って65番のヒューズを抜きます。そういえばMINIにはヒューズ抜きが付いておらず、ヒューズを抜くのにえらい苦労したっけ…

まずはきちんとアクセサリー電源がアクセサリー電源として機能している事を確認しておきましょう。検電テスターのクリップを車体のボルト部分(ボディアースを取れそうなところ)に噛ませた後、ヒューズを抜いた後の電極に検電テスターをあてがって通電していない事を確かめます。自分は横のカバーを外したところから見えるボルトに噛ませました。

車のエンジンスタートボタンを押下してイグニッションをオンにし、再度検電テスター本体をあてがって今度は通電している事を確かめます。ここで通電していない事、及び通電している事のそれぞれが正しく確認出来ていない場合、誤ったヒューズを抜いている可能性があるのでもう一度位置をよく確認し直してください。尚、ヒューズが刺さっている場所にはプラス極とマイナス極があります。見た目では判断が付かないので、両方の電極に検電テスターを当てて確認して下さい。通電する状態の時、検電テスターが光る方がプラス極です。

イグニッションをオフにし、ヒューズが刺さっていた場所にソケット分配器のヒューズ型プラグを差し込みます。差し込む際に、プラス極とマイナス極を間違えないように注意して下さい。クワ型端子が生えている側がマイナスです。

ソケット分配器の電線の途中に、ヒューズボックスから抜いたヒューズを差し込んでおく場所があるので差し込んでおきます。

3. ソケット分配器のマイナス側電線を車体に固定し、ボディアースとする

ボディアースを取る場所のナットを緩め、ソケット分配器のマイナス側電線の先端のクワ型端子を挟んでからナットを締めて固定します。この時、先程検電テスターを使ってテストした時にアースをとった場所を利用しようと思ったのですが、ナットが硬すぎて外れないので別の場所を使用しました。それが次の写真の場所です。勿論、検電テスターできちんとアースをとれている事を確認しておく事を忘れずに。

横から見た図です。この状態で再度通電を確認しましょう。イグニッションをオンにすると、ソケット分配器のLEDが光ったのでどうやらうまく接続出来ているようです。念のためにドライブレコーダーに同梱されている電源ケーブルを接続し、ドライブレコーダーが動く事まで確認しておきましょう。

4. ドライブレコーダーをフロントガラスに設置する

ドライブレコーダー本体をフロントガラスに設置します。忘れないうちにSDカードを挿入しておいてからドライブレコーダーの電源を入れ、映る範囲を確認しながら場所を決めます。最低限、自車のボンネットの両先端が映るくらいが良いのではないかと思います。大きな車の場合はボンネットがカメラに収まりきれないかもしれませんが…。ドライブレコーダーの場所を決め、固定した後は一旦イグニッションをオフにし、ドライブレコーダーの電源ケーブルを外しておきます。

運転席側に設置するとやっぱり邪魔だったので、助手席側に設置する事にしました。

5. ドライブレコーダーとソケット分配器を電源ケーブルで接続する
6. 電源ケーブルをどこに這わせるかを決め、該当箇所の内装を剥がす

電源ケーブルをどのように配置するかを決めます。今回は次のようにしました。

ドライブレコーダー
→フロントガラスとルーフの境目のルーフカバーの隙間
→Aピラー(フロントガラス横の柱)
→ダッシュボード側面のカバー裏
→グローブボックスの裏
→グローブボックスの下
→増設シガーソケット

Aピラーのカバーを外します。AIRBAG印のカバーにマイナスドライバー等をねじ込んでテコの原理で外し、その裏に隠れているトルクスネジを外します。

Aピラーのカバーを掴み、上の端から引っ張って剥がします。2個のクリップで留められていますが、外す際にこのクリップがカバーから外れてどこかにいってしまう事があるので気をつけましょう。自分の場合は一方のクリップが外れてダッシュボードの中に落ちていったようで、無くしてしまいました。1個ぐらい無くても実用面では別に困りはしませんが気分的にはちょっと残念な感じです…

クリップ部分が外れたら、Aピラーのカバーの根本の爪がダッシュボードに刺さっているので手前に倒すようにして引き抜いて外します。

ドライブレコーダーの電源ケーブルは、一方はminiUSB端子、もう一方はシガープラグです。内装の裏に隠す際に狭い隙間を通したりするので、大きくてかさばるシガープラグ側をグローブボックス下に置いておき、USB端子側を上記の場所を下から順番に通してドライブレコーダーのもとまで到達させましょう。

電源ケーブルのUSB側がドライブレコーダーまで辿り着いたらドライブレコーダーに接続しておき、ケーブルをルーフカバーの裏に押し込んで隠しながらAピラーの方に向かいます。ドライブレコーダーの近くにはETC車載器のアンテナが設置されており、これがケーブルを取り回す際にどうしても干渉してしまうので、ケーブルの取り回しには若干妥協している部分があります。まぁ、よく見ないとわからないのでOK!

▲ETC車載器のアンテナのケーブルをまたぐ

元々Aピラーの内側には諸々のケーブルが束ねられたものが通っているので、電源ケーブルもこれらのケーブルにくっつけるかたちで固定してしまいます。写真では見えにくいですがマジックテープ式テープで留めておきました。

今度はグローブボックスの下のシガープラグを増設したシガーソケットに差し込んでおいてから、余った電源ケーブルをまとめておく場所を決めます。今回はダッシュボード側面のカバー裏の空間を利用する事にしました。ケーブルをまとめ、隙間の空間においておきます。この時、どこかに固定できるならしておいた方が良いでしょう。運転中に振動で動いてどこかにぶつかり、カタカタとうるさいというような事を防ぐためです。

7. 電源ケーブルを隠しながら内装を元に戻す

最後に、各カバーとウェザーストリップ、グローブボックスを外すときの手順を参考にしながら元通りにすれば作業完了です!

これで余計なケーブルが視界に入らず、すっきりとした空間を維持する事が出来ます。ドラレコ自体の存在がすっきりしていないのは仕方がありません。将来的には、自動車自体の標準装備となって、車体に埋め込まれるなどといった方向に進化していく事を望みたいところではあります。

総括

という事で、以上、X1にドラレコを装着した話でした。何かが起こってからでは遅いので、しっかりと対策をしてから車に乗るようにしましょう!今のところは考えていませんが、本当はリアガラスの方にも後ろに向けてドラレコを設置しておけると万全ですね。とはいえ、追突に対しては前面のドラレコでもある程度状況の確認には使えると思うのですが、あれば良いに越したことは無いでしょう。

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