我が家のフトアゴを紹介します

我が家には一人の男、一人の女、そして一匹の女王がいる。女王の名はロティ。フトアゴヒゲトカゲだ。下の写真は完全におっさんにしか見えないが、女の子である。

フトアゴの画像をたくさん貼っていますが、虫が写っている写真は載せていません

ロティとの出会い

ロティとは爬虫類専門店で出会い、2018年10月にお迎えしました。確かその時生後1ヶ月とかだったかな…。当時の写真を見ると、その小ささに驚きます。

フトアゴヒゲトカゲは、爬虫綱有鱗目アガマ科アゴヒゲトカゲ属に分類されるトカゲ。森林から砂漠にかけての、様々な環境に生息する。半樹上棲。昼行性。

Wikipedia(フトアゴヒゲトカゲ)

フトアゴヒゲトカゲ、通称フトアゴは愛くるしい外見や飼育の手軽さから、爬虫類の中ではレオパードゲッコー、通称レオパと並んでかなり人気の高い種です。

フトアゴヒゲトカゲという名前は外観的な特徴をそのまま表していて、見ての通り顎から喉にかけて大きく膨れており、身の危険を感じるとさらに膨らませて威嚇してきます。ちょっとふざけているような名前だけれど、このうえなく特徴を掴んでいて一度覚えたら忘れようのないキャッチーな名付けだと思いますw

お店でのロティとの出会いはとてもフレンドリーなものでした。フトアゴを始め、爬虫類は基本的には犬や猫のようにわかりやすく人間に懐くという事はないと言われています。しかし、ロティは出会ったその瞬間からとても人懐こいというか人間を恐れる様子がなく、手にのせると逃げようとするどころかひょいひょいと肩までよじ登り、背中に回り込み…と積極的なスキンシップ(?)をぶちかましてきたのです。

触れようとすると威嚇してくるフトアゴが多い中でこの距離感の近さはやはりひときわ可愛く感じられ、夫婦揃ってロティにメロメロになってしまったのでした。

それからはや3年。フトアゴの成長は早いですね。脱皮の度に大きく太くなっていきます。手のひらの半分かそこらだった体躯はとっくに手のひらを大きくはみ出すまでになり、体重もずっしりと感じられるようになり、そしてなによりも…あの頃の天使のようなキュートな可愛さはなりを潜め、変わってそこには人間どもには決して迎合しないとでもいうかのような鋭い眼光を放つ至高の存在がありました。

その姿はさながら女王、いや女帝と呼ぶべきか。そのありようは猫のそれに近いかもしれない。飼われているのではなく対等の存在として堂々と在る、そんな感じです。

体格や顔つきだけではなく、色まで変わっているんだよね。最初は灰色というか茶色というか、そういう感じの色だったのだけれど今ではすっかり黄色です。

でもやっぱり可愛いんだよなぁ…

・・・なんて、可愛さはなりを潜めたなどと書きましたが、それはあくまでもキュートさについての話です。ぶっちゃけ、人間だろうが犬だろうが馬だろうが熊だろうが、赤ちゃんの頃って皆小さくて丸くて可愛いのです。天使のようだ、と形容される可愛さです。それは成長するにつれて薄れてゆくかわりに、美しいだとか格好良いだとか賢そうだとか強そうだとか、なにか別の表現にとって変わるものなのだ。あるいは、同じ「可愛い」でもベクトルの違う「可愛い」に変化していくという事もあるだろう。ロティの場合はそれだった。

今のロティを見ていて感じるのは、ベビーの頃とは別種の可愛さだ。のそのそ歩く姿、かと思えば時折見せる俊敏な動き、ご飯にかぶりつく姿、水をごくごく飲む姿、障害物によじ登る姿、熱源に近づいて暖を取ろうとする姿、眠そうに半目でじっとしている姿、はてはウンコしようと踏ん張る姿でさえも。その一挙手一投足がいちいち可愛らしいのだ。

ロティの住処

基本的にはロティにはケージの中で過ごしてもらっています。爬虫類はケージで飼うのが基本で、遊ぶ時に出す以外は放し飼いはしません。ロティがまだ小さかった頃は、幅60cmの奥行き45cm、高さ35cmの、ロティの前に我が家にいたフトアゴが暮らしていたケージを使っていました。

彼の名はルートといった。ロティと同じように黄色基調のフトアゴだったのだけれど、ある時から行動におかしなところが見られるようになった。いくつかの爬虫類の医者を周ってようやく先天性の精神疾患が原因だとわかり、薬を処方してもらって希望を感じたその翌日に亡くなってしまった。思い出すと今でもちょっと涙が出てくる。部屋には遺影と遺灰が置いてある。きっと今もロティと我々夫婦の事を見守ってくれているに違いない。

この4枚はいずれもルートのもの。先述したようにロティも成長につれて色が黄色くなったため、パッと見ではすごく似ているように見えるかもしれない。黄色くなるとは思っていなかったんだけど…。何だか運命めいたものを感じちゃうな。

話が逸れてしまった。60cmのケージというのは部屋の中に鎮座する事を考えるとそれなりに大きなものなのだけれど、成長したフトアゴの住処としてはちょっと狭い。シェルターやレンガなどの障害物もあるのでのびのびと身体を伸ばせるスペースがなく、このように窮屈な思いをさせてしまっていた。

フトアゴは何かにアゴを乗せるのが大好きなのだが、それにしてもそれはアゴが痛くならないのだろうか…?

さすがに可愛そうなので、ある時にロティには引っ越しをしてもらう事にしました。ネットで探すと爬虫類用のケージを制作・販売している人が結構見つかるので、その中からHOBBYIST GARAGEに制作を依頼したのだ。大きさは幅90cmの奥行き50cm、高さ50cm。部屋に置くと流石に存在感がある。今はもうそれが当たり前になって馴染んでしまったが、搬入した当初は怯んだものだ。

ケージの壁には擬岩バックボードを制作してつけてもらいました。安くはないオプションなので悩んだけれど、これは本当につけて良かった。雰囲気があるというのは勿論だし、何よりロティの運動や生活に欠かせないものになっているからだ。

高台はお気に入りの寝床でいつもそこで就寝しているし、狭くて暗いところで落ち着きたい時は階段の下に潜り込んだりと活用してくれている。階段経由ではなく壁に飛びついてそこから高台によじ登るアクロバティックな行動を見せる事もあり、驚かされる事もしばしばだ。擬岩バックボードがある事によって明らかに運動量が増している。

全体としてはなかなかお財布に痛いお値段だったけれど、長く使えるものでもあろうし一緒に暮らす家族のためを思えば何てことはない。「お金の無い人はペットを飼うなというのか」という、俺からすれば信じがたい文句を吐く人間もこの世には存在するらしいが、当たり前である。

写真集

PCの扱いにも精通している様子

ビットコインの推移を見守るロティと、その様子を見せられて「また人間どもが変な事してる…」と言いたげなロティ。

身体を温める様子

バスキングをして身体を温めるロティ。変温動物である爬虫類は、日光やバスキングライトなど周囲の環境から熱を得る事で体温を高める。逆にいえば、体温を維持出来ない低温の環境下で生きていく事は難しいので、特に冬場は室温に気をつける必要がある。口を開けているのは、そうする事でより効率的に熱を取り込もうとしているのだ。

口を開ける理由としては、逆に暑すぎて放熱したいというケースも存在します

変温動物とは、外部の温度により体温が変化する動物のことをさす。爬虫類、魚類や昆虫などが代表として挙げられる。変温動物は、恒温動物のように自力で体温を安定的に保つことができず、外気温や水温などに体温が影響を受けやすい動物と考えられる。体温調節のために自身で能動的に産熱するのではなく日光などの外部の熱エネルギーを利用する。例えばトカゲ類では、まず日光浴をして、体温を上げ、その後に活動に入るものがある。

Wikipedia(変温動物)

ところで上記、Wikipediaの変温動物の記事を読むと以下のような記述もあった。へー、そうなんだ…。

しかし現代では、動物の体温制御が種によって多様であることが発見され、恒温動物と変温動物の2つに分けられるという考えは誤りであることが分かったため、これらの語は科学的には使われなくなってきている。

Wikipedia(変温動物)

人間をおちょくる様子

以前のケージの頃は、脱走を企てようとする事がしばしばあった。と思いきや脱走ではなく縁に乗っかってこちらをおちょくってきたりして。片足あげてるのくっそ可愛いな…。

めっちゃ首を傾けているのは決してこちらを煽っている訳ではなく、見える範囲を広げたり、音の聞こえる方向を確認したりしているのではないかと思われる。でも実は本当に煽っているのかもしれない。ロティの事だから。

もちろん普段はガラス戸をきちんと閉めて脱走出来ないようにしていました。目の届く範囲にいる時だけこうして開放しています。

変なポーズ集

傲岸不遜な我が家の女王

我々夫婦はよくロティの事をこのように言っている。「またくだらない事ばかり言いやがってこの人間どもめって顔してる」

表情がどことなく不遜な感じを受けるので、傲岸不遜な女王、女帝、そのようなイメージになっているのだ。実際は我が家にやってきた時から変わらず心優しい穏やかで貞淑な女の子なのであろう、きっと、多分。

話しかけると小首をかしげて上目遣いでこちらを見上げる仕草がとても可愛い。

ご飯がお皿からこぼれ落ちると、律儀に拾い上げてきちんと平らげる様がとても可愛い。

ケージの前でご飯の用意をしていると、ガラス戸にへばりついて「はよはよ」と言いたげな様子がとても可愛い。

手のひらに乗せても逃げようとせずじっとして、時には腕を駆け上がってきたり胴に向かってジャンプしたり、そういったところはベビーの頃から変わらない。

表情こそふてぶてしさが伺え、我々夫婦もふざけて「女王」「人間ども」などと言ったりもしているが、ロティはロティ、可愛い我が家の一員なのである。これからもよろしくね。

おまけ:妻の描くロティ

妻が時々ロティをデフォルメした絵を描いているのですが、個人的にはなんともいえない愛らしさがあって好きなんですよね。せっかくなので紹介したいと思います。

これらは書き始めた初期の頃の絵で、今はちょっと画風が変わっているのですが写真を撮っていなかった…。

フトアゴの主食は昆虫であるため、抵抗感のある人もいるかもしれません。しかし、それを乗り越えられるのであればきっとその可愛さは日々の癒やしとなってくれる事でしょう。あなたもフトアゴとの生活を検討してみませんか?以上、我が家のフトアゴの紹介でした。

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