鳥取県といえば誰しもが連想するであろう鳥取砂丘。この近くに、砂でつくられた像を展示する美術館があるという話を聞いて以来、一度行ってみたいと思っていました。そこで、夏休みの神戸帰省の機会を利用して行ってみました!そこで目にしたのは迫力と繊細さを併せ持ち、砂ならではの儚さも感じられる見事な砂像の数々でした。
砂の美術館の基本情報
公式Webサイト
Wikipedia
Google maps
【住所】鳥取県鳥取市福部町湯山2083-17
【営業】年中無休、9:00〜20:00
※展示テーマが変わる際は砂像作成などで完全に休館する為、公式Webサイトを要確認
【料金】600円、小中学生300円
【駐車場】有(無料)
【問合せ先】砂の美術館(電話 0857-20-2231)
【所要時間】約60分(※俺の場合)
【客層】若年者8割、高齢者2割、男女比6:4、単身者皆無(平日朝の場合)
【個人的評価】3/5点
★★★★★:行かないと人生損してるレベル
★★★★☆:宿泊旅行の主目的になりうる
★★★☆☆:日帰り旅行の主目的になりうる
★★☆☆☆:宿泊/日帰り旅行の副目的になりうる
★☆☆☆☆:別件の用事で近くにあったら寄ってみたい
☆☆☆☆☆:可も無く不可も無く
鳥取砂丘のすぐ近くにあるこの砂の美術館はまだ新しい施設(2012年開館)で、先述の通り砂を使って作られた砂像が展示されています。この砂像は毎年変わるテーマにそって砂像彫刻家達によってつくられた作品で、約八ヶ月間公開されます。残りの四ヶ月は作品製作などの時間にあてられ、展示テーマの切り替え作業が行われています。ここ何年かは4月から1月の期間を展示期間としている事が多い様ですね。詳しくはこちらを参照されてください。休館期間が長いので、訪問を検討される場合は展示が行われているのかどうかを必ず確認するようにしましょう。
今回訪れた時には砂で世界旅行・ロシア編 〜大国の歴史と芸術の都を訪ねて〜というテーマで展示が行われていました。ではでは、早速見ていきましょう!!
早速美術館内へ
駐車場に車を停め、美術館入り口に向かうといきなり砂像がお目見え。屋根とか無いんだけど、風雨にも普通に耐えるのかな、これ・・・?職員さんに聞いてみればよかった。先述の通り、この日はロシア編と銘打たれたテーマが開催されているためかマトリョーシカらしきものが見えますね。下書き?状態で彫られていないので、未完成なのだろうか。最初、後光射す鏡餅かと思いましたよw
入場券を購入して奥に進むと、最初に見えてくるのはパネルでした。砂像の製作模様や、どの様にして制作するのかの解説、そして今回の展示に貢献した砂像彫刻家達の写真など。どうやって作るのかな?という疑問はこの美術館に向かいながらちらっと考えたりもしたのですが、答えは単純でしたね。幼いころに砂場で遊ぶ時にも水を使うと砂を固める事が出来ると学んだし、海水浴の際に砂浜で山や城を作った時にもやっぱり海水で固めていました。それと同じことを、より気合を入れて本気でやっているというだけの事でした。
集合写真。様々な国籍の人が集まって、皆で何かを成すって素晴らしいことですよね。とても良い写真だと思います。
こちらは美術館の歴史を紹介するパネル。先ほど書いたようにまだ新しい美術館ですが、実はそれよりも前、2006年から砂像を展示する催しが開かれていたんだそうです。最初は屋外で、それから仮設テントを利用するようになり、有料化して・・・と次第に催しがきちんとしたものになっていき、とうとう2012年には立派な美術館を建築してその中で天候の影響を受ける事なく観覧出来るようになったという訳です。
尚、過去の砂像は、展示テーマが変わるタイミングで取り壊されてしまいます。なんだか勿体無いですが、でもその儚さも砂像ならではのものかもしれませんね。ちなみに歴代の展示品の写真が公式Webサイトにアップされています。
パネルの他にも砂像製作の模様などを伝えるビデオが繰り返し上映されていたのですが、この日は他の観光地にも行くつもりだったのであまりのんびりもしていられず、スルー。
砂像のクオリティにびっくり仰天
砂像が展示されているエリアは2階にあります。2階にあがると、妙にオシャレな案内板がありました笑
彼(?)が示す方向に向かうと、そこには・・・
思ったよりもずっと大きな砂像が沢山!この日は平日の朝一番の時間帯(9時過ぎ)であるためか、お客さんもまばらでした。・・・が、この後ツアー客などの集団がどかっとやってきたり、何組ものカップルがいたりと、結構な人気があるようです。気にせず、端から順に見ていく事にします。
リューリク 建国のヒーロー
入り口の最も近くにあるこの砂像は、リューリクという伝説的人物のワンシーンを表現したものだそうです。うろこ状の鎧、背景の丘、中央右の男性の肩掛け・・・などの表現にビックリ。いやまぁ、砂像と聞いて自分が過去につくった、これらの砂像とは比べるのもおこがましい稚拙な砂遊びの成果物を連想しているというのがまず愚かという他ありませんが、当然そんなものとは雲泥の、天地の差がある訳です。平たく言うと、想像していたより遥かに精緻でビックリしたという大変に失礼な感想です(´・ω・`)
キリスト教の受容
人々の洗礼のシーンを表現しているとの事。頭におかれた手が異様にでかいのですが、これはあえてそのように表現したものなのかどうかが気になるところです・・・
よくわからないものその1
これは一体・・・ロバっぽい動物とオッサンのロマンス?背景で逆さになっている家と女性は何を表現している?教会(?)の顔は何?芸術って難しい、そう思わずには居られません つД`)
よくわからないものその2
これは最早、何かを表現しているのだと考える事自体がそもそもの間違いであるような気がするのでひたすら無心で眺めていました。よく見ると随所に中々高度っぽい技術が使われているような気がします。どうやって彫ったのここ?みたいな。この三角形の穴、1枚目を見るとわかるんですが中で繋がってるっぽいんですよね。技術も凄いけれど、この形を維持出来る砂像の頑強さにも驚きます。
よくわからないものその3
氷河に眠るマンモス
どの砂像でも驚かされるのはやはり細かな質感の再現です。こんなにも綺麗に繊細な彫り方が出来るんですね。考えてみれば、もっともっと砂を細かくしたらそれは殆ど粘土と同じようなものな訳で、そう考えると細かな彫刻が出来るのも不思議ではないようにも思えてきます。
そういえば、マンモスの牙の長さって5.2メートルに達することもあるんだとか。でかっ(小学生並みの感想w
ロシアの大自然
オイミャコンはロシア・サハ共和国の北東、インディギルカ川の約2km西、北極圏のわずかに南に位置する村。1926年1月26日、-71.2℃(-96℉)の気温が記録されたことで北半球の寒極、「北の極寒の地」、定住地の中で最も寒い地の一つとして知られることとなった。逆に夏の日中は気温が摂氏30度を越えることもあり、夏と冬、昼夜の気温差が非常に大きい地でもある。7月でも、まれに0℃を下回ることがある。2010年7月28日には最高気温が34.6℃に達し、それまでの記録を塗り替えた。
Wikipedia(オイミャコン)
オイミャコンって何?ということで調べた。世界一寒い定住地だって。同じ7月でも30度を超えたり0度を下回ったり、マイナス70度にもなったりと色々と意味不明・・・。800人も住んでいるらしいけれど、なんでそんなとこに住もうと思ったの?(´・ω・`)
トナカイの角が下書き状態ですが、これも美術館の外にあったマトリョーシカ同様に未完成だったのかな?
豊かな民族性
タタールのくびき 〜モンゴル人支配の時代〜
なんだかえらく立体感を感じる砂像でした。上や横から見るとそんなに奥行きは無いのに凄い。
コサックの力
馬の目が怖い・・・(´・_・`)
ピョートル大帝と西欧化
丸められた地図、木箱、袋・・・どの砂像も何処かしらに感嘆するポイントがあります。手を伸ばせば触れてしまう距離からじっくり見ることが出来て見応え充分!
ロシアイコン
フロアの最奥部にはひときわ大きな砂像があるのですが、その前にある噴水(?)の内側にもレリーフのような砂の彫刻がありました。よくみると、周囲の細かな装飾も砂像です。
クレムリンとワシリー大聖堂
エカテリーナ宮殿
エカテリーナ二世とロマノフ王朝
そして最奥部に控える巨大な砂像がこれ。幾つかの作品が組み合わさっているのでしょうか。いや、本当にでかい。
建築物が非常に綺麗です。人物像や動物のような生物もうまく表現出来ていると思うのですが、やはり砂と同じ無機物である事やまっすぐな線が多くて整って見える事などから建築物の表現と特に相性が良いように思います。
ロシアの音楽 チャイコフスキーとバレエ
ロシアの文学 トルストイとその作品「戦争と平和」
ナポレオンの撤退
雪に埋もれています。元が重たい砂でできているからなのか、雪の重たそうな感じがよく出ていると思いました。
モスクワの地下を彩る彫刻
シベリア鉄道と極東の都ウラジオストク
ソビエト連邦時代
ロシアの科学技術 −宇宙開発−
おまけ
▲奥から出入口方面を望む
屋内である為湿度や温度を管理出来るとはいえ、砂を水で固めただけのものが8ヶ月も保つという事に改めて驚かされます。どのくらい硬いんだろう、ちょっと触ってみたいw とりあえず、これで室内の展示は全てまわったことになります。外にも少しだけあるらしいので、向かいました。
屋外展示
てくてくと歩道を進みます。2枚目の写真はさっきまで居た建物。なんだか変わったカタチしてますね。
ロシアの民話 −大きなかぶ−
白状します。大きなかぶがロシアの民話だった事をこの時初めて知りました(@_@)
よくわからないけど明らかに製作途中の作品もありました。
「岐路に立つ勇士」 イリヤー・ムーロメッツの三つの旅より
「岐路に立つ勇士」の前にはテーブルとチェアが置かれていて、ここで売っている飲食物を頂く事も出来るようです。次の写真の左側で販売中。
うーんパノラマ撮影は色が微妙だ。補整するの面倒くさくてそのままUPしてしまった...
プチ展望台みたいなところもあって、鳥取砂丘の一部が見えました。鳥取砂丘ではパラグライダーも楽しめるのですが、この時も豆粒のようではありますが、楽しんでいる人を見ることが出来ましたよ。写真のちょうど真ん中らへんに青いパラシュートが写っているのですが、ブログにアップするにあたって縮小したら潰れて見えなくなってしまいました(´・ω・`)
それにしても砂丘でっかい。これがほんの一部なんだもんな〜。いざ行ったら、歩きまわって移動するの大変だろうなぁ(;´Д`) 今回は砂丘には行きませんが、いつかはちゃんと行ってみたいとは思っています。
これで砂の美術館の見学は終わりです。駐車場に戻った時、ふと端を見たらこんなものがありました。電気自動車の充電ができる設備、初めて見たかも。ごくごく稀にですが、日産のリーフが走っているのを見かけます。俺がおじいさんになる頃には、普及してるのかな〜?
砂の美術館総括
思ったよりもずっと楽しい時間を過ごすことが出来ました。大きくて迫力があり、なおかつ繊細な作品の数々を間近に見られ、これらの作品は壊される事を前提につくられているのだと思うとちょっと切ない気分になってしまった・・・。今年はロシアに焦点が当てられていましたが、毎年異なるテーマで作品が展示されるので、何度行っても楽しめそうですね。またいずれ訪れたいところです。
砂像の迫力や繊細さというのは写真ではどうにも伝わらないものだと思います。行ける人は是非、行ってみて欲しいですね。以上、砂の美術館でした。